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紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている

紙つなげ!  彼らが本の紙を造っている紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている
(2014/06/20)
佐々 涼子

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2014年の69冊目です。

著者の前作「国際霊柩送還士」をよんで、ノンフィクションの本の面白さを実感しました。
今回の作品は、東日本大震災で津波の大被害を受けた石巻市にある日本製紙石巻工場再生の物語です。
本の前半部分には、地震と津波の被害の様子が描かれています。
現実はさらに阿鼻叫喚であると想像しますが、被害の情景を文章化されたものを読むのは、
この本がほとんど初めてでしたので改めて心に重いものを感じました。
何も知らないし、何もできていないことを再認識させられました。
この本で初めて本に使われている紙にいろいろな種類、製造方法がある事を知りました。
そしてこの工場が日本の出版を支えていたことも。
震災後、半年で工場を稼働させるという工場長の言葉に、誰もができるわけないと考えた。
しかし、それが実現するに至るのは、復興を信じて前向きに立ち上がる人の力強さというより、
これが”生かされた者”の為すべき事という使命感に近いものを感じます。
この使命に自分たちを捧げなければ、喪失感や空虚感に飲み込まれてしまうような気さえしました。
復興なったこれからの人達の人生にまた何かが、襲ってこなければと思うばかりです。

『エンジェルフライト 国際霊柩送還士』

エンジェルフライト 国際霊柩送還士エンジェルフライト 国際霊柩送還士
(2012/11/26)
佐々 涼子

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2014年の13冊目です。
2012年第10回開高健ノンフィクション賞受賞作品です。
海外で亡くなった邦人の遺体を国境を越えて、遺族のもとへ運ぶ仕事に携わる人たちの生き様と、
その尊さ、そして否応なしに向き合うことになる”死”への観念の変化が著者の心境とともに描かれています。

飛行機から柩が降ろされるテレビ映像を目にするが、その柩の中がどうなっていて、
その後、遺族のもとに帰るまで何がなされているのか、知る由もありませんでした。
海外で亡くなった人の状態は、日本で病院で亡くなった場合とは想像できないほど差があるそうです。
それを、在りし日の姿に戻して、遺族のもとに届けるのです。

夜間に飛ぶ飛行機を見て、きれいと思うだけではなくなりました。
あの飛行機の貨物室に、もしかしたら柩が置かれ、遺族のもとに向かっているのかもしれない。
”死”は、それだけ身近にあるのだが、自分の前には突然やってくる。
その悲しみは、亡くなった人とその魂をいつまでもこの世に引き留めようとする。
でも、「さよなら」を告げて、彼岸へ渡らなくてはならない。
その為に、”弔い”の儀式があり、遺族の哀しみから、一旦”魂”を解き放ってあげる必要がある。
その時、亡くなった人は生前同様の姿で、「さよなら」を言いたかったはずです。
その一時のため、国際霊柩送還士たちは、全てを捧げて尽くしている。
これは仕事というより、彼らの生き様そのものです。

家人によれば、「テレビドラマになってやってたよ」とのこと。
何かしら見た人に大切な感情を想起させたかもしれないが、
一人一人の心の奥底に入り込み、じっと考えを深めてほしいノンフィクションです。

自らの死生観とともに!

おわり




テーマ : 読んだ本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

プロフィール

トホトホWALKER

Author:トホトホWALKER
性別 男性(家族有)

職業 サラリーマン
居住地 西日本の地方都市

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