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『おとなになるってどんなこと?』


2015年の39冊目です。

「大人にならなくてもいい、自分になれれば」と書かれています。これを読んだ若者が、何か確信めいたものを手に入れれれるのかは、私にはもうわかりません。
とても大切なことが書かれているような気もするし、何か腑に落ちないと感じる気持ちもある。
著者のように「大人になった瞬間」が自覚できている人には、その意味が分かるのかもしれません。
自分を振り返ってみても、昔に比べて、忍耐強くなったし、つまらないことをしなくなった。
これは、大人になったと捉えることも長い人生の中の後半期ではあるかもしれないが、老いたということかもしれない。

テーマ : 読んだ本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

体は全部知っている (文春文庫)

体は全部知っている (文春文庫)体は全部知っている (文春文庫)
(2002/12)
吉本 ばなな

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2014年の35冊目です。
久しぶりに小説を読みました。吉本ばななの作品を読んだのは二十数年ぶりだと思います。
確か以前に読んだのは”キッチン”という作品だった。当時、自分が好きだった女の子が読んでいたので、そのせいで読んだような記憶があります。記憶が混濁しているかもしれないと思って調べたら、確かにキッチンは1987年の作品だから間違いないです。この文庫本は、13の作品から成る短編集です。
キッチンを読んだ当時に持った、空虚感というか諦観をスタートにしたような感覚は、この作品にもありました。
かといって虚無的な生き方を渇望しているわけではなく、むしろ自然体で現実を受け止め、その価値を測ろうとしているように思えます。「体は全部知っている」というタイトルは、そういったことを想起させます。

作品の中で「田所さん」というオジサンの話があります。創業社長の恩人らしいく、仕事はほとんどないが、毎日会社に来ている不思議なおじさんです。浅田次郎の「シューシャンボーイ」をちょっと思い起こさせます。
主人公自身の稀有な優しさが周りの人にも”優しさ”を浸み込ませていく感覚です。

「おやじの味」という作品は、不倫が原因で一人山小屋に暮らす父のもとに転がり込んだ娘が作品の最後で思う気付きが素敵です。”生きていることには本当に意味がたくさんあって、星の数ほど、もうおぼえきれないほどの美しいシーンが私の魂を埋めつくしているのだが、生きていることに意味をもたせようとするなんて、そんな貧しくてみにくいことは、もう一生よそう、と思った”

「いいかげん」という作品では、会員制喫茶店で働く女性とその店のオーナーの関係が描かれています。オーナーは、お金持ちで、彼女をデートに誘います。彼女は首になりたくなかったので応じます。その流れが不自然かどうかは置いておき、
そのオーナーが彼女に、あと何回かデートできればいいというようなことを言います。それに対し主人公の彼女は、「きっとそれは本当だろう。この人にはもう生々しい欲望や、人を思い通りにしたいという気持ちを上回るほどの、死への渇望が感じられる」と感じます。う~ん。オーナーの心情へ向けて歩みつつあることに改めて気付いてしまいました。

おわり

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プロフィール

トホトホWALKER

Author:トホトホWALKER
性別 男性(家族有)

職業 サラリーマン
居住地 西日本の地方都市

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