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『魔性の子』

魔性の子 (新潮文庫―ファンタジーノベル・シリーズ)  魔性の子 (新潮文庫―ファンタジーノベル・シリーズ)
  (1991/09/30)
  小野 不由美

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== 読了日 2012年2月26日 ==

小野不由美の小説を読むのは、「屍鬼」に続いて2冊目です。
こういったジャンル(ミステリー)の本は、自分ではあまり手にしないのですが、
会社の同じ職場で働いている派遣社員の女性に、読んだ本の中から紹介してもらいました。
紹介してもらった本は、小野不由美の「屍鬼」と島田荘司の「暗闇坂の人喰いの木」でした。
凄く美人なので、好きな本とのGapに少々驚きました。しばらく後に本のリサイクル店に行った時、
「屍鬼」が文庫で1~5巻まで揃っていたので、思い切って購入したのが小野不由美を読むきっかけでした。
「屍鬼」は、面白かったというより、こんな奇妙な小説、読んだことないよな~あと思いつつ、
最後まで読みました。
「屍鬼」に比べれば、この「魔性の子」は圧倒的に読みやすかった。
解説文を読むと、この小説のジャンルは、”ホラー”となっています。
海外のホラー映画の様な、恐怖感を感じることはありませんでした。
「屍鬼」の様に、登場人物が多くなく、主人公広瀬と高里を中心軸にすべての話が展開していくので、
読みやすかったです。
共通している点は、どちらもたくさん人が死んでいくところと、死者の惨状の表現かと思います。

「魔性の子」は、小野不由美の初期の作品のようです。
「屍鬼」ほどの”どろどろ”さがない点も、読みやすさの一つかと思います。

物語の最後は、主人公の”高里”は自分の世界に帰っていき、”広瀬”は残される。
そこに広瀬のエゴが現れる。「自分を置いていくな。お前だけ戻るのは、卑怯だ!」
子供が駄々をこねるような感じですね。広瀬は、高里と交わることで、
自分もあちらの世界に戻れるのではないかと”潜在的な期待”を持ったのかもしれませんね。
彼らを取り巻く人間に、ろくな人間がおらず、無視したり、遠ざけたり、すり寄ったりと、
現世の人間の”業行”を批判しているとという感じでした。
この話では、向こうの世界に帰った高里以外は、誰も救われませんね。

十二国記シリーズの番外編とのことですが、十二国記を読んだことがないので、
登場する魔物や野獣たちの背負っているものがわかりませんでした。
そもそもなぜ高里は、神隠しにあったのかも、1年間なにがあり、
どう契約が結ばれたかもわかりませんでした。(十二国記を読むとわかるのかな)
<<読了後、考えてみたこと>>
自分の居場所は、どこなんだと自分に問うてみることが必要だということ。
自分がどこか別の世界から来たなんて思うことはありませんが、
今自分がいる場所が、自分が居るに相応しい場所なのかを、よく感じてみることが必要だと思います。
そこに今の自分の過不足が何かを見つけるチャンスがあると思います。
自分の居場所を探し求める”高里や広瀬”の様な人生を送り続けるか、
現実を大事にし、身の丈にたった生き方をする”広瀬の恩師、後藤”のような生き様をさらすのか?

家族と価値観が合わない私は、つい”こことは、別のところに私を受け入れてくれる世界がある。”
”今私はそこから故あって、この世界に来て、理解の難しい価値観の持ち主として扱われている。”
”しかし、いつか、帰るべき場所に帰れるという望みも、叶わないという現実もある。”


テーマ : 最近読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

プロフィール

トホトホWALKER

Author:トホトホWALKER
性別 男性(家族有)

職業 サラリーマン
居住地 西日本の地方都市

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