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『八月の路上に捨てる』

八月の路上に捨てる (文春文庫)  八月の路上に捨てる (文春文庫)
  (2009/08/04)
  伊藤 たかみ

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== 読了日 2012年03月18日 ==

8月最後の日に、飲料自動販売機の商品補充に回るドライバーと
その相方のそれぞれの人間模様を描いた作品。
ドライバーの水城さんは、この日を最後にドライバーから内勤へ異動する。
主人公は、妻との離婚届けを明日提出する。

登場する2人の人生観や価値観に、強い何かを感じさせない表現になっている。
どちらかの登場人物からも強いメッセージ性のある言葉が語られません。
淡々と、精緻な自販機への商品補充業務を表現しています。
ある八月の仕事の情景を描きながら、2人の男女間、結婚感が語られます。
プライベートの上手くいかない部分も、仕事という生きていくための作業の一部に
組み込まれているかのような感じです。離婚することになったから、
仕事に集中できないなんて、描写は出てきません。
そんなことも生きていることの一部に過ぎないという感じさえします。
生きる上で、仕事/プライベートのどちらかが、どちらかに影響を与えて、
干渉すること自体が、無意味な感覚です。

題名にある「八月の路上に捨てる」の”捨てる”ものは、何だったのか?
2人の登場人物のそれぞれの過去を捨てて、それぞれに出発し直すということだと思います。
ただ、それさえも強い共感を励起するわけではありません。
人生の時々を、それなりに生きてきた人間のあるがままの明日に向かう姿が、”私たち”であるということだろう。
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テーマ : 読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

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Author:トホトホWALKER
性別 男性(家族有)

職業 サラリーマン
居住地 西日本の地方都市

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