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救命センター当直日誌 (集英社文庫)

救命センター当直日誌 (集英社文庫)救命センター当直日誌 (集英社文庫)
(2004/09)
浜辺 祐一

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2014年の34冊目です。
著者の浜辺 祐一さんは、東京の都立墨東病院の救命救急センター医長をされています。
現場での救命経験をベースに描かれている話は、”命とは何か”というメッセージを発信しています。
本書は11話から成っており、それぞれ異なる救命現場の事例を通して、人間の死とはなにか?
突き詰めれば”尊厳とはなにか”を考えさせられる内容です。
救命センターに搬送される状況では、患者本人には、既に自分の命の尊厳をコントロールすることができません。
その尊厳を守るのは、ほとんどの場合家族です。
突然訪れた厳しい現実で、”判断”を迫られます。
当人は、何を望んでいるのか?問いかけても答えは返ってこない状況です。
「切断」という章で、交通事故にあって搬送された男性の話が描かれています。
事故直後に救命処置で開頭手術と右足切断を施されたが意識は回復しなかった。
しかし容体は悪化し、やがて左足も切断しなければ命を落とすという状況となる。
医師は家族にそれを伝え、左足切断を行おうとしますが、家族はそれを拒否します。
男性の妻が「これ以上、主人を痛めつけないで」と訴えます。
男性は、その数週間後に亡くなります。
左足を切断して、命を取り留めても意識の回復は望めない状況だからそう判断したわけではないと思います。
”生きている尊厳”が何かが、家族には判断できたのだと思います。
自らは自らの死に方を決めれないのが道理ですが、
自分の”尊厳”を家族に理解してもらえる生き方だけはしておきたいと改めて思いました。

この著書の前作「救命センターからの手紙」は、第47回日本エッセイスト・クラブ賞を受賞しています。

おわり

テーマ : 読んだ本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

『救命センターからの手紙 ドクター・ファイルから』

救命センターからの手紙 ドクター・ファイルから (集英社文庫)    救命センターからの手紙 ドクター・ファイルから (集英社文庫)
    (2001/03/16)
    浜辺 祐一

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== 読了日 2012年6月24日 ==

救命センターの医師たちの奮闘ぶりが描かれているわけではありません。

救命センターで働くベテラン医師の視点から、人間の死生観を問いかけている内容になっています。

死に向き合うと”人間の”本性”がさらされる状態になり、そこに焦点を当ててみている。

ベテラン救命センター医師の経験に裏付けされた価値観には、共感を持てる。

体の機能に重大な損傷を受け、寝たきりの状態で一生を過ごさなくてはならなくなった患者に

如何に真実を「告知」するかでは、医者の毅然とした姿勢が問われています。

「主治医は患者の首根っこを押さえつけて事実を告げ続けていかなければならないのだ。
患者の正気を保つためにはそれしか方法がないのである。」
辛い仕事だと思います。真実を伝えることを先送りすることが、

”優しい思いやり”だと思っていることが多いし、

それでも、”優しい”と人から思って貰えることはしばしばあります。

でも、人生の岐路では、真実を告げることが、正義なのでしょうね。

「植物人間」の部分の手紙は、考えさせられます。

心肺が停止して時間が経過してしまった患者の心臓を再度動かすことは、

現代医療技術では可能なようです。でもその時には、脳細胞は大きなダメージを受けており、

「いわゆる「植物人間」を作り出してしまう。

救命できたのだから、それで良しとするのか?

植物人間となった患者を残った家族が支えていくのは、想像以上に大変なことのようです。

大きなジレンマだと感じました。患者(自分)に選択権があるわけではないので不条理ささえ感じます。

それが、救命医療の現場の一面だという事ですね。
 
せめて死と向かい合う時には、すべてを許し許されて心から安らかに逝きたいとものだという考えに、

この本の事例は、どれもどろどろとした現実を投げかけてくる。

年を重ねると、多くの人の”死”に立ち会う。

そこから自分の”死生観”を形作り、家族には伝えておいた方がいいと感じました。

テーマ : 読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

プロフィール

トホトホWALKER

Author:トホトホWALKER
性別 男性(家族有)

職業 サラリーマン
居住地 西日本の地方都市

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