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正直に語る100の講義




この100の講義というのは、シリーズになっていますね。
「常識にとらわれない100の講義」とか、「思考を育てる100の講義」など。
様々な時事問題とか、日常の出来ごとに対する著者の考えがシニカルに書かれています。
多くの場合、多くの人の一般的思考や言動を否定的に捉えて自論を述べている。
否定的というよりもむしろ懐疑的に捉えているという感じかもしれない。

テーマ『何を読んだらよいのかと人に聞くような人間は、本を読むな。』
僕は、本を読むことの価値の八十パーセントくらいは、どの本を手に取るか、ということにかかっていると感じている。
つまり、自分が何を読みたいか、ということに自分で応えることが、読書をする価値のほとんどだと思うのだ。
従って、それが分からないなら、読んでも大半の価値を得られない、無駄が多すぎると、言うこと。

この考えには、私も80パーセント同意できる。一歩で、人からどんな本を読んだらいいですか聞かれたら、
嬉しくなって、いろいろアドバイスしてしまう。しかし、それでは、本人のためになってないということですね。
よく、会社の若手社員に本をプレゼントしたり、貸したりするが、読後の感想や心境の変化、琴線に触れたかを
フィードバックしてくれる人も、皆無に近い。
自分で自分が読む本を決めることが、読書だということですね。

ようするに何かをするときの価値の大半は、目標を捉える初動の判断にある。
どこに目を向けるのか、という「着眼」だ。ここに、人の思考、発想、能力といったものの大半がある。
これを人に委ねる行為は、人間性を半分失っているのに等しい。

かなり厳しい指摘だが、自分のやることを、他人に委ねるな!という考え方をしようということですね。

(2016年、48冊目)

テーマ : 読んだ本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

「思考」を育てる100の講義

「思考」を育てる100の講義「思考」を育てる100の講義
(2013/08/10)
森 博嗣

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2014年の30冊目です。
以前、この本とよく似たタイトルで、著者の「常識にとらわれない100の講義」という本を読みました。
タイトル・構成・コンセプトは、全く前回と同じですが、どうしても手に取り読んでしまいます。
モノの見方の視点が、一般解とは違っていて面白い。
面白いという感覚を持つのは、「私自身もそう考えたりすることがある」が、
そこまで堂々と意見を表に出してくれると嬉しいという感覚かもしれない。
だから面白いというより共感なのかもしれない。
著者の考え方の中心は「合理性と抽象性」だと思います。
一見すると矛盾する2つの考え方ですが、これが両立しているところが、
森博嗣の思考世界を創っているとも思えます。
本書の29番目の講義、「はっきりしない人間になろう」という項がある。そこからの引用です。
人間の「深み」という言葉が示す通り、魅力のある人、尊敬に値する人、凄い人というのは、計り知れない。
現実も、いったいどこに本質があるのかはっきりと見えないものである。
物事を簡単に断定しない慎重さこそ「深さ」であって、意見を絶対に変えない頑固さが「浅さ」になる。
「ぼんやりしていろ」というのではない。「簡単に決めるな」ということである。

そういわれると「深い」と感じてしまいます。

おわり

『少し変わった子あります』

少し変わった子あります (文春文庫)少し変わった子あります (文春文庫)
(2009/06/10)
森 博嗣

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物語の最後は、ミステリーぽい終わり方でしたので、
そういえば、この方ミステリー作家だったなと思いました。
私は、森さんのミステリー作品は1冊も読んだことがありません。
普段は主に、著者の新書系を読んでいます。今回、初めて小説を読みました。

「優美な孤独」という著者の世界観が表れていると感じました。
名前の無い、営業場所も毎回変わる不思議なお店で、その場限りで一緒に一人の女性と食事をする。
そこでなされる会話自体に、深い人生観や説得性があるわけではありません。
どの女性たちも上品に食事ができる控えめな若い女性です。
そこは少し甘美な感じもしますが、そういった側面からの思考はなく、
むしろそこで交わされるたわいもない話と、店の奇妙な環境が、
主人公の小山教授を、孤独という深遠な世界へその思考を導いていったようです。

彼にこの店を紹介した友人も、また彼自身も行方が分からなくなります。
解説にも書いてありましたが、ちょっと宮澤賢治の”注文の多い料理店”を思い出させますが、
でもきっと彼らは、もっと優美な孤独を求めて、自分だけの居場所を見つけに出かけたんだと思います。

”思考する”過程が結構表現された文章が多く、
改めて、人はここまで考えることもできるんだな~あと感心しました。
著者の新書系の文章を読んでも同様のことを感じます。

思索に身をゆだね、優美な時間を過ごすことが孤独なのでしょうかね?
仲間外れにされたら”孤独”を感じると言いますが、
それとは、全く異質な自発的な”孤独”の世界感で満たされています。

おわり


テーマ : 読んだ本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

『自分探しと楽しさについて』

自分探しと楽しさについて (集英社新書)    自分探しと楽しさについて (集英社新書)
    (2011/02/17)
    森 博嗣
  
    商品詳細を見る

この本は、最近はやりの若者による”自分探し”の風潮に対する著者の考え方が淡々と書かれたものです。

楽しいを抽象的に!

印象に残った部分は、「自分探しとは、自分が楽しいと感じることを探すこと」とを同じだという部分でした。
そして、自分が楽しいと感じる具体的なことにつて、何で楽しいのか?
自分が楽しいと感じることを抽象化するといいと書かれています。

なんだか、理屈っぽいですが、これができれば、いつの事(職業、趣味)だけでなく、
いくつものことに楽しさを見出すことができるということです。

模型を作るのが好きなら、きっと自分は細かいものを組み立ててつくることが好きなんだろう。
だったら、模型以外にも”楽しさ”を見出せるはず。

私たちは、それなりに日々を過ごしていますが、
改めて、「これをやっている時が楽しくて仕方ない」といえることがあるかな?と考えてしまいます。

多くの皆さんには、「〇〇をしてる時が、すごく楽しい」と言えるものがあるのでしょうか?

私自身は、子供の頃はそういったことがたくさんあったような気がしますが、
大人になってからは、、、、、、、、。
そういう意味では、再び「自分探し」をしているのかもしれません。

問題なのは”通信速度”

若者を対象に書かれているので、著者の最近の若者に対する評価がいくつか出てきます。
その中で、私が仕事上で接している若者にも同様の傾向があるなと共感できた部分がありました。
「自分の好きなジャンルについての情報をそれほど集めようとしない。
「技」についても、人にきいたり、ネットで調べたりはするものの、鍛練や試行錯誤によって習得するまでには至らない。
おそらく情報が多い過ぎるせいだろう。
情報は手軽に取り入れられる。そういったものは外部に存在すればいつでも利用できる。
問題になるのは、情報の記憶容量ではなく、通信速度なのだ。

最近の若者がすべてこうでは、決してありません。
そういった傾向の人の割合が増えているということだと思います。
ただ、このことの良否を議論しても仕方ないと思います。
現代情報化時代を前提にどう生き泳いでいくかを考えていく必要があると思います。
時代を逆行するわけにも行きませんからね。

ミステリーは、読めないかな?

淡々とした文章で書かれているように感じるが、
若者(若者だけでなく、迷える大人にも)に対して、実はとても力強い励まし や、
行動を後押しする言葉に満ちていると感じました。

森さんの本は、これを含めエッセイしか読んだことがありません。
会社で、森博嗣さんの本を読んでる人は、
彼の本来のジャンルであるミステリーものを読んでいる人がほとんどです。
私のようにエッセイから読み始めた人は、ミステリーへ移行しにくいですね。
著者の価値観がエッセイによって先に分かってしまっているから。

自分探しをしている人は、この先、どうしたらいいか分からない人
そういったひとは、期待は大きくしてないが、
少しでもヒントにあるようなこと、 あるいは自分に勢いをつけてくれる言葉を見つけようとしている。
ポンと背中を押してほしいと思っている。
これは、自分探しをしている多くの人の傾向を看破していると感じました。


テーマ : 読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

『常識にとらわれない100の講義』

常識にとらわれない100の講義   常識にとらわれない100の講義
   (2012/07/21)
   森 博嗣
 
   商品詳細を見る

ミステリー作家として名の売れた方なのですが、
私は、そのことは全く知らずに、本のタイトルに引かれて手にしました。
変わり者と言われつつも信望者も多い方のようです。

100個のテーマについて、見開き2ページで著者の考えが書かれています。
短文ですが伝えたいことがしっかり書かれていて、読みやすくなっています。

最初の2,3のテーマの文章を読んだ段階では、
この方やはり変わり者なのかな?
世の中をかなり斜に構えてみておられるのかと感じました。
しかし、それは最初だけでした。

読み進めていくうちに、かなり共感できる部分がたくさんありました。
最近、読んで共感できた部分には、4色ボールペンで線を引くのですが、
赤や緑の線があちこちに引かれるようになりました。

共感できた考え方をひとつ紹介します。

「宿題だけすれば責任を果たせた気分になれる人間は、飼われているのである。」

あたえられたノルマというものを喜ぶようになったら、
それは飼われている証拠である。
犬は、たしかに主人の与えるノルマを喜ぶ。

自分の仕事が何かに取って代わられた時、
「言われたことを真面目にやってきたのに、この仕打ちはなんだ?」
と怒っても遅い。何故なら、言われたことしかできないという理由で、
あなたという人間がいらなくなったのだがら。

人間がそこにいる価値というのは、人間にしかできない「発想」が
生まれるからである。仕事をしていく中で問題を見つけ、工夫をし、
もっと良いやり方を模索していく、これが人間がいないとできない「成長」である。
言われたことだけのノルマをこなしてばかりでは、人間の仕事をしてないのと
同じだから真っ先に合理化の対象になる、というわけだ。

「なんでも言うとおりにするから、きちんと指示をしてほしい」というひとは多い。
自分で考えたくない、責任を持ちたくないのである。
そんな台詞が自分の口から出そうになったら、気を付けよう。

若手中堅ベテランを問わず「指示が悪い!」と嘯いて仕事を流している人を見かけます。
指示が間違っていたので、誤ったアウトプットを出しましたというのは、
新人ならまだしも、それじゃ機械と同じだと思うのだが。
ほんとに、著者の意見に共感してしまいました。

著者の生活スタイルは変わっておられ、電話もファックスもなく、
連絡方法はメールだけ、同居している奥さんとも連絡もメールなんだそうです。
お互い干渉せず、自分のしたいことをしているので、これが正常なんだそうです。

テーマ : 読んだ本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

プロフィール

トホトホWALKER

Author:トホトホWALKER
性別 男性(家族有)

職業 サラリーマン
居住地 西日本の地方都市

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