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『心にナイフをしのばせて』

心にナイフをしのばせて (文春文庫)   心にナイフをしのばせて (文春文庫)
   (2009/04/10)
   奥野 修司

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本のタイトルから、猟奇的な事件を引き起こす人間の心理を描いたもかと思っていた。
内容は、被害者家族の人生が事件によっていかにゆがめられていったかを克明に描いている。

私はこの本を購入するまで知りませんでしたが、
この本の内容は、1969年に実際に起こった事件を、
ジャーナリストである著者が丹念に取材したものでした。

遺族たちの人生がいかに”重いもの”を課せられゆがめられたかが分かります。

残された両親が心が壊れながらも”生きていく”辛さが伝わってきます。
心の重荷を負わない人間が素晴らしい人生を送っているわけではないでしょうが、
罪を背負わないこと、悲しみを背負わないこと、怒りを背負わないことが、
何かを得ることよりも人を幸せに導くのだと痛感しました。

一方で加害者に、本当の厚生はありうるのだろうか?とも感じます。
加害者少年Aのその後は、簡単にしか紹介がありませんが、Web等で見る限り、
完全にこの事件から解放されることはできなかったようです。
むしろ、この事件から解放されるため無関心であろうとしていたのかなと想像してしまいます。
でも、決して解放されてはならないようにも思います。

それにしても、神戸のサカキバラ事件にしても、なぜこのような猟奇的なことができてしまうのか?
人間の中に潜む残虐性の箱のカギは、何かによって開けられるのを待っているのでしょうか?
だとしたら、私たちは非人間的な行為から、常に遠ざかって生きていくべきでしょうか?
 
おわり

テーマ : 読んだ本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

プロフィール

トホトホWALKER

Author:トホトホWALKER
性別 男性(家族有)

職業 サラリーマン
居住地 西日本の地方都市

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