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『戦国鬼譚 惨』

戦国鬼譚 惨 (講談社文庫)戦国鬼譚 惨 (講談社文庫)
(2012/10/16)
伊東 潤

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数十年ぶりに戦国時代小説を読みました。
切っ掛けは、今年1月に『クリス・グレンが語る 日本の歴史DISCOVERY!』セミナーに参加したことです。
来日28年目のオーストラリア人のクリス・グレンさんが、日本の戦国時代を熱く語ってくれました。
そう言えば、学生時代に司馬遼太郎の戦国時代小説を貪るように読んでいたことを思い出し、
久しぶりにこの時代の小説を読んでみようと手に取った一冊です。

内容は、甲斐武田氏が信玄死後勝頼の時代となり、
そこを生きる甲斐信濃の国人や武田家親族達の悲哀に満ちた”落ちていく”短編小説です。

一話毎の内容が時間軸でも人間関係でも連関がある構成になっています。
戦国時代によく描かれる大物武将たちの陰で、
小説などに取り上げられることのなかった武将たちの生き様が描かれています。
こんな武将たちの生き様があったのかと改めて歴史の厚みを感じました。

印象に残った話は「表裏者」に描かれている穴山梅雪の生き方です。
彼は自分の高い能力を自負しながら、主家である武田勝頼を見下していた。
武田の一族でありながら武田家を早々に裏切った表裏者として歴史に名を残している。
そのプライドの高さが、武田家を裏切り織田家への帰属を後押ししたようです。
この時代に「義」を重んじて「名」を残すものと
「生き延びるため」に”表裏”する者のどちらが多かったのだろうか?
歴史に名を刻まれた人間の多くは「義」に生きた者たちだが、それだけ稀有な存在だったのかもしれない。
彼らとともに「表裏」しながらも生きた者たちは、縦糸と横糸となって歴史を紡いだのだと思う。
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テーマ : 読んだ本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

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Author:トホトホWALKER
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