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『他人を見下す若者たち』

他人を見下す若者たち (講談社現代新書)   他人を見下す若者たち (講談社現代新書)
   (2006/02/17)
   速水 敏彦

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「最近の若い者は」と思って読み始めたわけではありません。
むしろ「これから、どうなるの?」という不安もあって手に取ってみた本です。

自分の子供達ももうすぐ”若者”と呼ばれる年齢になります。
「これからどうするの?」という問いを彼らに向けつつも、
「これからこの世の中はどうなるの?」という気持ちが沸いてきます。

著者は、学校教育に携わった教育心理学者である速水敏彦さんです。
この本の特徴は、”論文”だということです。
若者の行動と心理についてたくさんの切り口で分析を行い、自らの仮説を展開されています。

分析検証された内容について、共感できるものが多くありました。
最も印象に残ったのは、「他者軽視と仮想的有能感のメカニズム」です。
仮想的有能感は、若者の無意識下に存在する根拠のない有能感です。
他人に興味を持たない、他者を軽視する、他者を労わらない
といったことの要因がここにあるというものです。
現在社会構造が彼らにこの感覚を植え付けてしまっているということです。
IT社会、ゲーム、ケイタイ、過保護、少子化などの要素のため、
本人が”苦”を伴わないで、”与えられる”環境のせいだという考え方は一説だと思います。


So what? and How?
若者の心理や行動分析は、かなり正しいのではないかと思います。
ただ、So what? それで何? How? どうするの? という感じもあります。
本の中にに何々をどうしなさいと示されているわけはありません。
提案型というより現状分析、問題提示型の本なので、仕方ないところですし、
Howの部分は、読者が考えることだということですね。

分析された原因の多くが、過去の時代に遡らないと取り除けないものです。
現在進行形型のものでさえ、その流れの大きさから立ち防ぐことも難しいのが現状だと思います。
将来、明日からどうするかを考えなければ、新しい価値観は生まれてきませんね!


「自分ができることから」
先ずは、自分の子供や職場の若者に何ができるかを考えていきたい。
「感じる力」を育むことが第一歩だと思います。
「うれしい」「楽しい」「悲しい」「くやしい」「愛おしい」といった感覚を、
しっかり取り戻させることではないかと思います。
同時に、いろんなことに無感覚になりつつある自分の心の減退にも、
ブレーキをかける必要があると妙に反省する気持ちになってしまいました。

広く一般の人というより教育指導する立場の人が読んでみることが進められる本ですね。
 
おわり

テーマ : 読んだ本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

プロフィール

トホトホWALKER

Author:トホトホWALKER
性別 男性(家族有)

職業 サラリーマン
居住地 西日本の地方都市

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