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『塩の街』 有川 浩 

塩の街 (角川文庫)塩の街 (角川文庫)
(2010/01/23)
有川 浩

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あらすじ
宇宙からやってきた巨大な塩の結晶が、地球に塩害を及ぼす。塩が街を飲み込み、人間は塩になってしまう。
世界は崩壊へと向かている。その崩壊寸前の東京で暮らす男”秋庭 高範”と少女”小笠原 真奈”が、出会いひっそりと暮らす秋庭は真奈の保護者として。二人の前を、さまざまな人々が行きすぎる。塩になった恋人を海に入れるためやってきた若者、塩害の人体実験から逃れてきた少年。ある時、秋庭の旧友”入江慎吾”がやってくる。「世界とか、救ってみたくない?」という言葉とともに、秋庭は、真奈のいる世界を守るために、航空自衛隊パイロットとして決意する。世界を救うために。二人に関係はさまざまさ出来事を経て保護者と少女ではなくなっていく。

感想
塩の結晶が降ってきて、全てが塩化していく設定は、とてもおもしろかった。変な生命体や別の惑星からの侵略者がうようよ現れるよりずっとましな気がします。作品では、世界を救おうとする秋庭と入江のやり取りを軸にした話と、もう一つ、秋庭と真奈の恋の話の二つが交差していて、どんどん読めました。真奈の気持ちが、秋庭に魅かれていくところや逆に、秋庭が真奈を大切に思い始める気持ちの流れは、『海の底』に登場する夏木と望の関係に似ていると思っいました。世界を救えるのは、人への愛なんてモチーフではないと思います。むしろ、人を動かす力は、誰かを守りたいということが原点だと感じます。それを感じた人間がその時何を背負っているかで、救われるものかわってくると感じました。

心に留まった言葉
・「ルールは人を守るものだ。制約と罰則がある代わりに、守れば概ね自分を守ってくれる。」
・「変わってしまった世界で真奈に最も近しい人は、黙ったままずっと真奈の涙の受け手でいてくれた。」
  ~誰かの涙の受け手でいられるというのも素敵なことかもしれませんね。~
・「欠けたら痛い一部」
  自分にとって欠けたら痛い一部って誰だろう。
・「女が弱いだなんて男が信じたがっている幻想だよ。女性を守る義務ぐらいもらわないと、女から生まれてくる僕らはただ発生しただけの役立たずだからね。」
・「その子、秋庭の逆鱗だからね。」
  ~自分の逆鱗ってなんだろうと考えてしまいます。

テーマ : 最近読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

プロフィール

トホトホWALKER

Author:トホトホWALKER
性別 男性(家族有)

職業 サラリーマン
居住地 西日本の地方都市

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