読書Walker
読書を通して感じた事や、日々の出来事を綴っています。
『大人の流儀』
![]() | 大人の流儀 (2011/03/19) 伊集院 静 商品詳細を見る |
久々に、すっきりした気分で本を読むことができました。自信のない大人や若さの中でうろうろしている若者の心に響く文章でした。大人には、いろいろ事情があるし、理不尽な世の中ってことも飲み込んで生きているもんなんだ、それが人生ってもんだろう。という著者のぶれない”大人”として自信が随所に感じられる。いくつか気に入ったところと感想を書いてみました。
1.大人が人を叱るとき
本文より~
会社の仕事で、”理不尽”目くじら立てるのは、、一部の若い男と、圧倒的に女性の社員らしい。だから、女性社員にガミガミ言わない上司多いそうだ。それは違う、。今からでも遅くないから、”おかしい”と思ったら、あなたの言葉で注意すべきだ。若い女の子の”KY”という言い方があった、空気が読めない人のことだ、と説明された。
「馬鹿言ってるな。なぜいい年をして、女、子供の吸ってる空気を読まにゃならんのだ」
誰のお蔭で生きているるんだ。人が人を叱るのに、空気を読む必要などさらさらない。
<感想>
凄く気持ちのいい言葉でした。会社で若者を叱れずビクビクしている自分も、なんだか少し勇気づけられました。私の職場では、女性社員が”理不尽だ”といってくること、ありませんが、若い人の全体的傾向として、”なんで自分は、こんなひどい目にあうのか?”という考え方をする人が目立ちます。
2.「ゆとり」が大人をダメにする
<感想>
賛否あるでしょうが、日本人は、休み過ぎるようになっているのでは?アジアの競合関係にある国は、必死で働いて日本ンなんかに負けまいと考えています。世の中不景気で、諸外国におい越されそうになっているのに、週休2日でないと働きません。風呂敷残業、サービス残業は諸悪の根源みたいな社会風潮は、少し考えてみないといけないと思いました。また、1年かけて教科書一冊も終われない”ゆとり教育”は、国家の衰退という考えにも共感できます。私の職場にも”ゆとり教育”を受けた新入社員が配属されてきます。何かしら、かつての新入社員とは異質なところを感じてしまいます。
3.あなたが生きているだけで
本文より~
風が吹かないから雨も降らない。
”五風十雨”の当たり前の気候が訪れないから、これほど暑い。
稲田ではとうとう水を入れはじめた。そうしないと稲が全滅する。
”五風十雨”はわかりますね。わからないのか?書けそうで書けない漢字などどうでもいいから、こういう基本の言葉を大人の男は学んでおかないと。これは、農作業に適した気候のことを表す言葉で、五日ごとに風が吹き、十日ごとに雨が降ることで、これが普通の天候だという意味だ。
<感想>
大人の知識として必要なのは、”書けそうで書けない漢字を知ってることじゃない”、もっと意味のある言葉を、しっかり理解しておくことだと痛感します。
4.妻と死別した日のこと
本文より~
「いろいろ事情があるんだろうよ・・・・・」
大人はそういう言い方をする。
なぜか?
人間一人が、この世を生き抜いていこうとすると、他人には話せぬ(とても人には言えないという表現でもいいが)事情をかかえるものだ。他人のかかえる事情は、当人以外の人には想像がつかぬものがあると私は考えている。
感想
前妻(夏目雅子)が亡くなった日。タクシーを拾おうとした時の母親と小学生親子との出来事から、私たちが既に「いろいろ事情を抱えたおとな」であることを想い知らされる。
