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『人質の朗読会』 (中公文庫)

人質の朗読会 (中公文庫)人質の朗読会 (中公文庫)
(2014/02/22)
小川 洋子

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2014年の61冊目です。
九つの物語が収められている短編集です。設定は、日本からの旅行会社のツアー参加者が、地球の反対側にある国の山岳地帯で反政府ゲリラの人質になってしまう。捉えられた八人の人質と救出作戦に携わった政府軍兵士の物語です。長い人質生活の中で、彼らは自分の人生における”忘れられない”過去を一つずつ物語にして語ることにしたのです。話の内容は”小川洋子”ワールド全開です。日常生活の中に流れている整然とした時間の刻みに、ちょっとだけ引っ掛かりを残してしなった”自分にとっての忘れられない過去”が誰の人生にもある。それを一つ一つの物語の中で表現しています。
アルファベットの形をしたビスケット工場で働く女性と大家さんとの交流を描いた「やまびこビスケット」。危機言語を救う友の会のような奇妙な会合が開かれる公民館の「B談話室」。出来損ないのぬいぐるみを路上に拡げ売っている老人と少年の交流を描いた「冬眠中のヤマネ」など、人の心に残り、その周りにある記憶が解け落ちても、確実に生き続ける”その出来事”が人の心の品性を定めていく気がしました。

テーマ : 読んだ本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

プロフィール

トホトホWALKER

Author:トホトホWALKER
性別 男性(家族有)

職業 サラリーマン
居住地 西日本の地方都市

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