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『無頼のススメ』


2015年の20冊目です。

伊集院静は、好きな作家の一人です。
これは新書ですが、エッセイに近いものですね。
「無頼」と聞くと、アウトローとかならず者といった感じを受けます。
伊集院静の生き方は、それに類すると考える向きもあるでしょう。
確かに、私たちのような凡才人には真似できるものではありません。
この本は、無頼とは、アウトサイダーやドロップアウトのことではなく、
「頼るものなし」という人としての心の持ち方、生きる姿勢、覚悟であると説いています。
それを著者の人生経験から滲み出た哲学として語られています。

たくさんの視点で、著者の”無頼”としての考えが紹介されています。

○先入観を捨てられるか
空海が唐に渡った時の心境として「虚しく往きて実ちて帰る」という言葉があります。
空海は、先入観を持たず唐に渡ったことで、結果として真言密教の奥義を持ち帰ります。

○誰でも「事情」を抱えて生きている
人は誰だって外からはうかがいしれない、その人なりの事情を抱えながら、それでも平然として生きている。

○己れの怒りを抱けるか
「依頼心を捨てよ、怒りを出そう」「そもそも怒りというのは、その人の品性なり品格、
人として生きるプライドを守るための唯一の方法ではないか。」と書かれています。
これには共感できます。
私も”Must”思考が強くて、偏った概念を持ちやすかったため、しばしば周りの人の行動に腹が立っていました。
それも年齢からくる体力の衰えと足かけ10年間受けた認知療法のおかげで、
怒りが表出してしまうことはめっきり少なくなりました。
ただ、自分の矜持に関わることに対しては、怒りを表現していてそれでいいと考えていましたが、
伊集院さんの考えと一緒で、心強くなりました。

「頼るな、倒れるな」は、何かと弱気になり、周りを頼ってしまいそうな私たち中年を支援している言葉かなと思えてきました。

おわり
プロフィール

トホトホWALKER

Author:トホトホWALKER
性別 男性(家族有)

職業 サラリーマン
居住地 西日本の地方都市

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