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『かなたの子』

かなたの子 (文春文庫)かなたの子 (文春文庫)
(2013/11/08)
角田 光代

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2014年の24冊目です。
第40回(2012年)泉鏡花賞受賞作です。
泉鏡花の作品など読んだことはありません。学校の歴史で名前だけ知っているのと、
幻想的で、怪奇的な作風の文学だったということだけです。
選考対象は、泉鏡花の文学世界に通ずるロマンの薫り高い作品となっていることから、
私が、今まで読んだ角田光代の作品とは、作風が違うのだろうと想像して読み始めました。
(空中庭園、なくしたものたちの国、Presents)

おみちゆき / 同窓会 / 闇の梯子 / 道理 / 前世 / わたしとわたしではない女 / かなたの子 / 巡るの8作品が
収められています。

ほとんどの作品に、因習という言葉が、ストーリーの底から響いてくるようです。
時代設定が現代だったり、明治~昭和初期だったりしたりします。

幻想的というよりは、怪奇的という言葉が浮かびます。
それが、この世に伝わる因習によって現わされているように感じます。
しかし、表現に猟奇的なところはなく、怨念、拘り、愛情、惜別、無関心、恐怖などが
混ざり合った末に出現する不条理な世界のように思えます。

表題作「かなたの子」は、命を宿しながらこの世に生まれてこれなかった我が子
に会えるという場所”くけど”に、鉄道に乗り、海を渡りたどり着きます。
そこで、子供達の笑い声が聞こえてきて、心は夢と現の世界の間を倒錯します。
この辺りが、泉鏡花賞を受賞しいる特徴だろうと思います。
この作品には、基になるお話があります。それは、ラフカディオ・ハーンが記した
「子供たちの死霊の岩屋で」という120年前の作品です。”くけど”という場所も
実際に存在し、”潜戸”と書き島根半島の日本海に面した岬にあるそうです。

今まで読んだ角田光代の作風と随分と異なり、話に入っていけるかな?と思っていましたが、
最期まで、しっかり読み切ることができて何よりでした。

おわり

テーマ : 読んだ本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

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「かなたの子」角田光代

生れるより先に死んでしまった子に名前などつけてはいけない。過去からの声があなたを異界へといざなう八つの物語。日常に形を変えて潜む、過去の恐怖。著者の新境地、泉鏡花賞の傑作短編集。 生まれなかった子が、新たな命を身ごもった母に語りかける。あたしは、海のそばの「くけど」にいるよ―。日本の土俗的な物語に宿る残酷と悲しみが、現代に甦る。闇、前世、道理、因果。近づいてくる身の粟立つような恐怖と、包み...

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