『何もかも憂鬱な夜に』


2015年の44冊目です。
久しぶりの小説を読みました。
中村文則氏の作品を読んだのは、初めてです。
この本を手に取ったのは、書店の小説コーナーに平積されていたのとこのタイトルに惹かれたからです。
私も、憂鬱な夜を過ごしたことがたくさんあります。

施設で育った主人公の「僕」は、刑務官となり、殺人犯として死刑判決を受けた二十歳の若者の担当となる。
彼の控訴期限まで一週間という設定。自殺した友人や施設での記憶が入り組んで混沌とした意識下で、
彼自身が、自分という”得体のしれない生き物”と、
どう向き合っていいか分からず、戸惑っている。
そんな自分が憂鬱でならないと感じている。
しかし、その”得体のしれない自分”は、彼自身を捉えて離さない。
非常に観念的であり、内省的であり、繊細であるが故に
破壊的な一面を持ち合わせる人間の心情を、描いている。
受刑者が彼に「あんたは、どっちかといえば、こっち側の人間です」と語るシーンは、
彼自身が戸惑い受け止めきれない”得体のしれないもの”を言い当てているようです。

主人公と同年代の若者たちを、私の周りにもたくさんいますが、
ここまで内省的に自分を捉えているのだろうか?
私の知る余地はないのだが。 

おわり

テーマ : 読んだ本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

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Author:トホトホWALKER
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職業 サラリーマン
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