『掏摸』


2015年の47冊目です。

掏摸を生業とする主人公の物語です。
サスペンスとかミステリー小説のようにも捉えれます。犯罪小説の傑作とも言われています。
客観的な「悪」をベースに描かれていますが、
主人公の内面の悪と狂気が、錯乱とか破滅に繋がっていきます。
彼が関わる犯罪がストーリーを力強く推し進めていき、加速度を感じる読みごたえがあります。

主人公は、破滅することでしか、自分の存在を確認できないかのような生き方をしていきます。
そして、彼の記憶にいつも浮かび上がる”遠くにある白い塔のようなもの”は、何を意味するのか?
自分が自分を越えた時に行きつける場所ということなのかもしれない。
犯罪組織の首領が「この人生においてもっとも正しい生き方は、
苦痛と喜びを使い分けることだ。全ては、この世界から与えられる刺激に過ぎない。
そしてこの刺激は、自分の中で上手くブレンドすることで、全く異なる使い方をできるようになる。
お前がもし悪に染まりたいなら、善を絶対に忘れないことだ。」と話すシーンがあります。
この小説の根幹にある凍りつくような考え方です。

この首領の話は、この小説の姉妹編「王国」に書かれています。

おわり

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トホトホWALKER

Author:トホトホWALKER
性別 男性(家族有)

職業 サラリーマン
居住地 西日本の地方都市

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