『遮光』



2015年の48冊目です。

事故で無くなった恋人が、今も生きているように振る舞い、虚言を呈する若者。
彼の内包している気質は、陰鬱さか?
それゆえに生じる凶暴さと支離滅裂な自己存在の確認行動。
自暴自棄に生きているようにしか見えない。

この小説は、著者のデビュー2作目。著者自身が後書きに記しているが、
これほど破滅的な陰鬱を表現し続けている作品は、最近では少ないという。
実際には、そういった書籍はあると思うが、確かに書店の棚に並ぶものは少ないのだろう。
私自身の少ない読書量の中でも、これに似た作品を読んだ記憶がほとんどありません。
やや、村上龍の小説に似ているところがありますが、村上龍の小説の場合、
主人公が置かれている社会自体が破滅的に描かれている。
中村文則氏のこの作品の場合、主人公を取り巻く環境は、至って普通で、
自分の身近に感じられるものだ。
それゆえに、主人公の”私”の壊れていく様が、際だった”存在感”を放っている。
自分とは、何なのか?

この本の数冊後に読んだ、辻村深月の小説がとても、美しく感じました。

ピース又吉が愛してやまない20冊の中に入っていると、帯には書かれている。

おわり

テーマ : 読んだ本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

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Author:トホトホWALKER
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職業 サラリーマン
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