『世界の果て』



2016年、12冊目です。

これも入院期間中に読みました。中村文則の初の短篇小説です。

最後の「世界の果てに」という作品は、自己破滅的なストーリーで、
自己の存在をどうやって捉えていくのか?が上手くできない物語のようです。
それが、上手く機能的に行えなかった人物の破滅を描いている気がする。
著者のあとがきにも”暗い小説”と書かれている。
何かの救いや、啓示が示されているわけではありません。
こんな暗い小説もあっていいと著者は書いている。
それには、私も同感です。
この小説と並行して読んでいたのが浅田次郎”の短編集なので、
いっそうその存在は相対化され、私の中で増殖してくる。
こういった作風の作家の作品は、数多あるのだろうが、
彼の作品は、安倍公房と村上龍を混ぜ合わせたように感じます。

どこにでもある日常的な風景の中に、忽然と生じる非日常的、非現実的な
出来事。これに対処する人間の内面の変化を通して、
人の心の奥に分け入ろうとする構図のように思えます。

おわり

テーマ : 読んだ本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

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Author:トホトホWALKER
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職業 サラリーマン
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